2014年9月29日月曜日

メキシコチックなオブジェの作り方☆

 メキシコ雑貨にインスピレーションを受けて手作りした
イニシャルウッドのオブジェ。
その制作の裏側を大公開☆


完成品がコチラ。



【材料】
イニシャルウッド
アクリル絵の具
筆(太め&細め)
マニキュアのトップコート


今回使用したイニシャルウッドは300均一の3coinsで売られているコチラの商品↓
2つで300円です。


自宅のバーカウンターに飾るべく、
今回はこの中からSALUDを選びました。
スペイン語で『乾杯!』という意味。

まずは、
バランスよくカラフルに
太めの筆でメインカラーを塗って
完全に乾かします。

デザインはGoogle imageで「メキシコ 雑貨」と検索し、
コチラのイメージを参考に少しアレンジ。



『S』

メキシコの市場で良く見かける
チープでカラフルなお皿から、
王道の唐辛子柄。
黄色をベースに真っ赤な唐辛子をペイント。




『A』

メキシコのクロス型の壁飾りから、
ドットの花がら。
このデザインはメキシコ雑貨に良く見ます。
爪楊枝の後ろの太い方にたっぷり絵の具をつけながら
ドットを書いていきます。




『L』

同じくクロスの壁飾りより
花がら。
緑の茎を書いてからお花を描いて
白い筋を足していきます。




『U』

同じくクロスの壁飾りから
花がら。
今度は大きめに丸を描いて
その上に少し小さめの丸を重ねます。




『D』

またもやクロス型のオブジェから、
花とドット。
赤ベースに水色の花とドットと
黄色い網目模様のようなものを
描いていきます。



1日ほど乾かし、
念のためトップコートを塗って完成です。


メキシコの雑貨はハンドペイントのものばかり。
だから、意外と簡単に描けてしまう柄も多いんです。
ポイントは反対色を多用すること。

赤と緑、
青とピンク、
黄色と赤、

なんかはとてもメキシコらしい配色だと思います。

メキシコ雑貨はかわいいけど、
日本で買うと高い...
なかなか売ってない...

そんなあなた!

時間が空いた時に
手作りしてみてはどうでしょうか♪


あなたの生活空間にラテンのエッセンスを!

Natsuko



2014年6月24日火曜日

『幸せが見つかる23のヒント』 アルベルト・エスピノーザ著



いかにも今の若い人に好まれそうなこの題名。
巷で人気の「じぶん探し」の類に見えるが、内容は想像を遥かに越えた
読み応えのある哲学書である。

 
 

アルベルト・エスピノーザは1973年生まれ、
バルセロナ出身の世界中から注目を浴びる人気脚本家で俳優、小説家である。
14歳の時にがんを発症、余命1ヶ月宣告を受け、10年に及ぶ闘病生活の中で片脚切断、肺、肝臓の一部を切除、この間に患者仲間22人を失う。普通の若者が送るであろう学生生活の時期に、死の恐怖と常に隣り合わせの過酷な状況下で、アルベルトは明るい太陽の色をした「イエローワールド」という幸せの世界を見つける鍵となる23の発見をする。
絶望にうちひしがれそうになる著者を支え、前向きな希望を見いだしていくのを助けたこれらの発見は、誰でもすぐに実践可能で万人に通ずるものである。
個人的にもっとも衝撃的だったエピソードを紹介しよう。

 
◆発見その1「失うことはいいことだ。」

片脚切断前日に担当医から先の言葉を言われ、脚のさよならパーティーをやるよう進言された作者。アルベルトの脚にゆかりある人を招き、互いに彼の脚にまつわるエピソードを語り合い盛大に送り出すという趣旨で、サッカー仲間、山登りをしたおじさん、10歳の時に彼の脚を噛んだ犬を飼っていた友人(当日にはなんと加害犬も登場!)が集結した。
手術当日、面白いことを思いついたアルベルトは看護師とペアダンスを踊るというアイディアを
思いつく。心ゆくまで楽しんだ後、脚は予定通り切断された。

アルベルトはこう述べる。
「(切断後)悲しくはなかった。ちゃんとお別れをして、泣いて、笑ったから。

人生において、程度の差はあれ、喪失は誰しもが経験する。その困難に直面したとき、どうすればいいか。著者は、失うことに目をそらさず、正面から向き合い、喪失によって獲得できる事柄を模索する重要性を述べている。上記は23あるうちのひとつにすぎないが、作者はどんなに絶望的な状況下においても、視点を変えればカラフルな幸せに満ちあふれた最高に楽しいイエローワールドが見つかることをユーモラスに我々に教えてくれる。ラテンのエッセンスが盛り込まれた必読の一冊。

もうひとつ、注目すべきは本書を訳した松枝氏だ。原文を尊重しつつ、
非常に読みやすく素晴らしい翻訳をしてくださっている。
 
 
 本書は20カ国で翻訳、全世界140万部超のベストセラーとなり、本国のTVドラマシリーズが好評を博し米国でスピルバーグ監督によりリメイクが決定、今年の夏以降に放送予定である。
 
 
 
以下のリンクから、アルベルトのインタビューや動画などを見ることができる。
 
 
 
 
あなたの日常に、ラテンのエッセンスを。
 
 
Yu

2014年6月23日月曜日

アーティスト"Calle 13"の光と影


“Soy América latina, un pueblo sin piernas pero que camina”
「足は無いけどそれでも歩いている、俺はそんなラテンアメリカさ。」

今年3月に新作のアルバムを発表したばかりの
プエルトリコ出身の社会派バンドCalle 13(カジェ・トレセ)の曲
義兄弟のレシデンテ(Rene Perez Joglar)と
ビシタンテ(Eduardo Jose Cabra Martinez)で2004年に結成。
ラテングラミー賞は最多の19個受賞、南米全土で人気がある。


レシデンテ(Residente)は居住者、ビシタンテ(Visitante)は訪問者という意。
2人が2歳のときに義兄弟となった2人だがその後両親が離婚。
Reneが引っ越した先はゲーテッド・コミュニティと呼ばれる塀で囲まれた居住区だった。
治安が悪い南米にも多くあり
ゲートには警備員が配置されていて入場する際にResidente? Visitante?と聞かれる。
そこからきたジョーク混じりの名前で
バンド名のCalle 13は住所が13ストリートだったからだ。

レゲトンをベースにした軽快でキャッチーな曲調に風刺色の強い鋭い歌詞。
そんなギャップがラテンアメリカらしさをよく表している。

「君のおへそを舐めさせて♡」みたいなレゲトンらしい曲ばかりかと思いきや、
南米の腐敗した社会や政治を訴えかけるものがそれ以上に多い。

彼らは自分たちの事を

too poor to be rich and too rich to be poor"
(金持ちになるには貧しすぎるし貧乏になるには金持ちすぎる)

と表現している。
実際に母は舞台女優で父は弁護士、彼ら自身も学士を持っていて、
チャラチャラとしたルックスと違い歌詞からは知性を感じる。

キャッチーな音楽で注目を浴びた彼らはその名声を利用し社会問題を扱う様になる。
踊りたくなるような軽快な音楽と悲痛な現実を突きつける音楽、
その両方が一つのアルバムに収録されている。
曲調はレゲトンだったりラテン系だったりするから
意味を考えずに聞いているとラテンに帰ったような明るい気持ちになるのだが、
歌詞を読み解いてみるとそこにはラテンの影が色濃く感じられる。

彼らの曲 『La Bala(銃弾)』の中で彼らはこう歌っている。

Hay poco dinero, pero hay muchas balas(金は少ししかないが、銃弾はたくさんある)
Hay poca comida, pero hay muchas balas(食料は少ししないが、銃弾はたくさんある)
Hay poca gente Buena, por eso hay muchas balas(いい人は少しいない、だからたくさんの銃弾がある)
Cuidao’ que ahi biene una(気をつけろ、ほら銃弾が来たぞ)

明日の心配なんてせずに明るく今を楽しむ気質のラテンの人々は
私たちには楽天家で羨ましく見える。
それは逆に、危険と隣り合わせのラテンの人々は明日が無いかもしれない、
だったら今楽しまなきゃと潜在的に感じているとも言える。


独立運動とCalle 13

Calle 13はプエルトリコの独立運動にも深く関わり 『Querido F.B.I』がその代表曲。
プエルトリコは400年もの間スペインに支配されその後アメリカの手に渡り統治が続いている。
1898年にはプエルトリコの自治政府が誕生し独立に近づいたと思った矢先に
米西戦争が勃発し負けたスペインは領土の一部をアメリカに割譲、
プエルトリコはその犠牲になりアメリカ領土となったのだ。
独立運動を率いていた人民軍(通称Los Macheteros)は
アメリカにテロリスト集団として扱われ、
その指揮者であるフィリベルト・オヘダ・リオス(Filiberto Ojeda Rios)は
何年もの間、指名手配される。
後にF.B.Iによって殺されるが、
銃撃を受け意識のある中、何時間もの間血を流しながら死に絶えたという。
これを不当だと訴えた『Querido F.B.I(親愛なるF.B.I)』は
事件の30時間後にネットで無料配信された。


  • 社会問題とCalle 13

Calle 13が歌の中で扱う社会問題の中でも最も知られているのが警察の暴行問題。
南米では警察の社会的地位は低く給料も低い。
警察が腐敗しているのは南米では周知の事実だ。
Rene自身も親友が犠牲になっている。
交通違反で逮捕された親友は手と足に手錠をかけられ
3人の警官に何時間にも渡り暴行を与えられ死亡したという。
その事件を歌った曲が 『Tributo a la Policia(警察への賛辞)
Calle 13はこの曲を入れたCD、2万枚を警察本部の前で無料配布した。

彼らは言う。

弱い者(社会的弱者)は武器を持つ。
俺らは武器の代わりに曲を書く。

南米で社会的メッセージを発信するのは命がけだ。
実際に彼らは殺害予告を何度も受けている。
それでも醜い現実に真っ向から向き合いながらメッセージを発信し続ける彼らが、
ただただハッピーでおバカな曲もたくさん生み出している。そこが彼らの魅力だと思う。

バカっぽくて大好きなのは


やっぱり私はハッピーな曲が好き。
実際にラテンでもチャートに乗るような彼らの曲はハッピーなものばかり。
でも、そんな光の裏に根深い影がある。
それでも影を跳ね返す様なラテンの陽気さ、
その強さをこれからも探っていきたいし伝えていきたい。
かつて私が救われたから。


“Soy América latina, un pueblo sin piernas pero que camina”
「足は無いけどそれでも歩いている、俺はそんなラテンアメリカさ。」


明日を憂い、
悲観しがちな日本人に、
ラテンのエッセンスを。



Natsuko